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新進気鋭ブランドにフィーチャーする中崎町のセレクトショップ「KUNST」

BIBLIOTHERK, Alyssa Marie Groeneveld, Nora Kassim, Tihana Miksa。突然だが、これらの名前に聞き覚えはあるだろうか?恐らく国内では、いや世界でもマイナーな存在である彼らを提案するショップが、日本の、大阪にある。謙遜しつつも、鋭いベクトルを示す同店のオーナー渋谷 剛一朗が今回、我々のインタビューに応じた。渋谷氏が運営するKUNSTは、2023年10月25日にオープンし、上記にANTONIO VATTEVを加えた計5ブランドの取り扱いを行う。20歳以下のアルバイト5人を含めた6人体制で活動する同店の、大胆かつ奇抜なアプローチはどのようにして育まれ、どのような羽を伸ばして行くのだろうか。

"芸術"を"作る"

ーまず初めに、KUNSTはどのような経緯でスタートしたのでしょうか?

私は元々、洋服は好きでしたが、大学卒業後は普通のサラリーマンや家業の手伝いの毎日に飽き飽きしていました。それなら資金のある内に自分を信じて、大好きな洋服に人生をかけてみようと思い立ったのがスタートのきっかけです。

ー店名「KUNST」の意味や由来は?

KUNSTにはドイツ語で芸術、美術、そして技術や作り物という意味があります。
「ファッションには正解がない」という言葉に私自身も共感しており、多くの方々の感性やセンスを多角的に観て、そこから自分自身の好みや気分に合わせてスタイルを作っていける部分にファッションの魅力を感じております。デザイナーズブランド、古着問わず様々な洋服に触れて、それぞれの気分に合わせたコーディネートをすることで、"芸術"を"作る"という想いを込めました。

ーショップのコンセプトや、方向性に関してお聞かせください。

今はまだまだですが、他とは違う目を惹く様なコーディネートを提案し、コーディネートで売るお店にしたいと思っています。それは大阪の11747391さんに行った時に衝撃を受けたのがきっかけです。デザイナーズと古着を使った特異な組み合わせの提案、そしてかっこいいスタッフの方々がいて、いつも新しい発見ができるお店でとても感動しました。

ー日本でも取り扱いが多くないブランドのセレクトが目立ちますが、そのようなコンセプトや方向性が関係しているのでしょうか?

関係している部分で言えば、目を惹くというところでしょうか。例えば、Alyssa Marie GroeneveldやTihana Miksaなどは誰が見ても「なにこれ?」となる素晴らしいデザインをされているブランドです。私自身周りと違う服装が好きなので、そういったブランドに自然と目がいくのだと思います。

マクロでもミクロでも美しい服

ーインスタグラムに掲載されているこちらのスタイリングでは、KUNSTが扱うアイテムをY2Kやスポーティーな雰囲気で再現されています。流行りのスタイルに、KUNST独自の色がマッチしていると感じましたが、スタイルを組む際はどのようなことを意識されているのでしょうか?
前述にもありましたが、デザイナーズだけでなく古着もコーディネートに取り入れる事を意識しています(こちらは全てデザイナーズですが、、)。また、あるショップのオーナーさんが仰っていた「普通の服をお洒落に着るのは誰にもできるが、普通じゃない服をお洒落に着ることは誰にでもできない」という言葉が胸に響きました。それ以来、普通じゃない服を如何にお洒落にコーディネートするかばかり考えています。

ーKUNST一押しのブランドは?

全てのブランドが一押しです!!!と言いたいところですが、敢えて挙げさせていただくと、やはりtihana miksaです。洋服以外にも人形や絵本のイラストを作られている方で、アーティスト的な要素があり一つ一つのアイテムにストーリーがあります。ハンドメイドで作られていることもあり作り込まれているというか、引き込まれる世界観が本当に素敵です。また、tihanaさんにはお店のアイコンのイラストも作成していただき本当にお世話になっております。

ーKUNSTでは古着も取り扱っていますが、どのようなアイテムを取り扱っているのでしょうか?また、テイストはセレクトアイテムに寄せているのでしょうか?

悪い意味ではなく、タグや年代でピックはしていません。ヴィンテージに詳しい方々には敵わないので、グッドレギュラーと言われる見た目の良いアイテムを意識しています。ですが、古い年代のものはやはりデザインの効いた、かっこいいものは多いですよね。
テイストは、どちらかといえば合わせています。デザイナーズのコンセプトや各シーズンのコレクションテーマに合いそうなもの、組み合わせとして使いやすそうなものや面白い見た目のものをピックしています。物量もできるだけ5:5になるように心がけています。

来店すれば新しい発見ができるお店に

ー実は以前インタビューした古着屋CETTENも、KUNSTと同じ大阪府中崎町に本店を構えています。大阪の古着エリアとしても有名ですが、どのような街なのでしょうか?また、なぜ中崎町を選ばれたのでしょうか?

私もみなさんと同じで古着の街という認識です。また、都会の梅田近辺には珍しく、古民家が建ち並ぶどこかレトロな印象がある街で、若い方が平日でも多くいらっしゃいます。特に中崎町にこだわりはなく、むしろアメ村周辺の方がウケはいいのかな?と思っています。ただ、未経験の開業ですので、人通りがある路面店を条件に当てはまったのがたまたま中崎町でした。中崎町には古着とデザイナーズ両方を扱うお店は多くない印象なので、そこは当店の強みになると思っています。

ー店舗を構えるにあたって、内装や雰囲気など拘った部分はありますか?

元々、外観が古民家風で雰囲気のある面構えだったので、落ち着いた雰囲気をイメージしていましたが好きなテイストではなくて(笑)。今の内装も全く満足してないので、ガッツリ変えたいのが正直なところです。また、お店が狭いためできるだけ多く展示できるように心がけています。

ーもし都内にお店があれば、今すぐ訪れたいです。今後、都内への進出やイベント等の計画はありますか?

そう言っていただき本当に嬉しいです。ありがとうございます。今はとにかく、この中崎町で多くの方に認知されたいという気持ちです。東京に強い憧れはありますが、進出はそれからでも遅くないかなと思っています。イベントは機会があれば是非してみたいですね。私のお店単体ではまだまだ認知されていないので、もう少し有名なってから、もしくは合同でできれば是非と思っています。

ーどのようなお店を目指していくのでしょうか?これからの展望や目標を教えてください。

大袈裟かつ抽象的な言い方ですが、来店すれば新しい発見ができるお店にしたいです。ファッションに限らず、自分の知らないことや新しい考え方を知ることは本当に素晴らしいことだと思います。時間はかかると思いますが、そういった感動を体験できるお店を目指します。

ー最後に読者、お客様に向けてメッセージをお願いします。

まだまだ未熟なお店ですが、喜んでいただけるよう精一杯お話しさせていただきます。少しでも興味を持ってくださると嬉しいです。入りづらい面構えだとよく言われるのですが、高圧的なスタッフはいないのでお気軽にお越しいただければ幸いです。
 
KUNST

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