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SOSHIOTSUKI 24AW コレクションを発表 テーマは“good memory”

SOSHIOTSUKI(ソウシオオツキ)が2024年3月16日、楽天ファッションウィークにてショー形式で24AWコレクションを発表した。2024AWコレクションは、須田一政の作品集『風姿花伝』と出合い、「品」と「死生観」について考え始めることがスタートとなった。人間しか持ち得ることのない「品」。西洋人のそれとは異なる、日本人が根源的に持ち合わせている思いやりを含有するような「品」。そうした「品」の根底に流れる日本人ならではの宗教観や道徳観、日常に潜む神という存在を服へ、そして服の細部へと込めたと大月は語っている。

通常は機能的なディテールとして捉えられる要素をドレープへと変換。着物袖のパターンは布感によってドレープがもたらされ、ケープのようなシェイプのトレンチコートやポンチョが創出され、袖の下には腕や物を入れる所作の提案がなされている。スーベニアジャケットやワークジャケットは、腕を上げやすいように入れ込まれたマチがドレープとなり、ケープにもなる仕組みに。また、メインファブリックとして用いた尾州産のウールは、オゾン加工を施すことによって、毛のスケールを滑らかにし、落ち感を最大限に引き出している。

アクセサリーはKOTA OKUDAとのコラボレーションによるもの。そして、足元はMOONSTARのビジネスシューズライン「BALANCE WORKS(バランス ワークス)」のシューズでスタイリングを行った。

コレクション制作を進める中で、大月の父親が脳梗塞で倒れたことにより、大月自身の内側で育まれてきた宗教観の意味合いがよりパーソナルで、よりエモーショナルなものへと変わった。人種や人格がどうであれ、地球上にいる人間や生物は死に向かっていることを再認識し、変貌した彼の「死生観」もまた、服作りへと反映されていく。2013年に発表した『FINAL HOMME』では、電車を待つサラリーマンの列に父親の面影を重ね、自堕落な父親のDNAと訣別する、ある種“父親殺し”ともいえるコレクションを制作。ブランドのデビューシーズンとなる2015年秋冬シーズン『NINJA STYLE』では、反対に父親を肯定しようと、父親が忍者道場に通っていたというエピソードから着想を得たコレクションを発表。そして、いざ父親に死の影が近付くと、父親とのコミュニケーションを深めるのではなく、むしろリサーチを続けていた神道に想いを馳せ、“神頼み”という感覚を強く持つようになることで、最新コレクションの輪郭がより強まっていった。

 


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