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MIKAGE SHIN 24AW コレクションを発表 テーマは”GAME CHANGER”

MIKAGE SHIN(ミカゲシン)が2024年3月13日、楽天ファッションウィークにてショー形式で24AWコレクションを発表した。テーマとなる"GAME CHANGER”は、元来スポーツの試合で流れを一瞬で変えるプレーヤーを指す言葉である。そして 近年では、従来の市場の流れやルールを破し一瞬で主導権を学握する実業家や企業にも例えられるようになった言葉だ。デザイナーである進はこのテーマを選んだ理由について以下のように語る。

「今、コロナの時代がようやく終焉を迎え、ファッションは大きな転換期を迎えています。この"GAME CHANGER”というテーマは、これまでのコレクションとは違い、1シーズンで完結するテーマではなくブランドの生涯を通じて続いていく、言わば「命題」になります。今敢えてこの命題に挑むのは、ブランドが4年目を迎え、ブランド自身の殻を破りたいと考えたらからです。言い換えれば、それはある種の「情動と瓦解」がキーワードになります。例えば、圧倒的にエレガントなものはエレガントたる為に、狂気的な美意識に支えられているものです。その狂気は言語化できない情動とそれまでの何かが崩れていくような衝撃を与えます。初めて見た時は理解出来ず、それでも理解しようとすると脳内の言語感覚が”BUG”を起こすような、一瞬で心と頭を瓦解させるような、そんな強い衝動です。」

今作では、今までよりも大胆な異素材のドッキングやビビッドなグラフィックが随所に登場し、一際目を引く構成となっている。例えば、ブランドが得意とするプリーツや構造的なパターンワークの表現は継続しながらも、国内の刺繍職人によって独自に生み出されたロングフリンジの表現によって、テーラードアイテム特有のエレガントさに狡猾性と力強さを加えている。一方で、デニムボンディングオパールのように幾つもの手作業の工程を経て作られるデニムや、強酸性の薬品で5回以上ブリーチしたデニムなど、限外な作り込みも随所に見られる。

そして比興な騙し絵や、女性の肖像を瓦解させた6Qニットジャカードなど、ストレートに「瓦解」という表現に挑むアイテム群も見られ、コレクション全体に独特のリズムが宿る。また、シアー素材やレース、ラメ糸のハンドカットジャガードなど、繊細かつ夢遊的な表現も散見される。このハードさと繊細さの、二律背反的な危うさこそがMIKAGE SHINというブランドの本質を加速させている。

「『一筋組では理解できない様な人物』を想い起こさせる様なコレクションにしたく、音楽や小説、映画をヒントに架空の人物像を創り上げることからスタートしました。
その存在に確実性を持たすべく、実直に粛々と、それでいて極限的なものづくりにこだわり、ブランドが得意とするハンドカットジャカードの織物は、生産可能な限界の長さまで糸を飛ばし、毛足を長くしてラメ糸を初めて取り入れました。ベースの生地には糸からオリジナルの染色を施し、何パターンものビーカーテストを行い、糸の配置やバランスをシミュレーションしました。また、特殊デニムには、新たに日本の京都の職人が独自開発したデニムポンディングオパール技術を駆使し、全面に無数の糸が顕になった迫力のある生地を採用しています。この生地は、二層のデニムの表面にオパール加工液を塗布し、一層目のデニムのみを溶かして洗い加工を施すことで、ボロボロとした糸が現れる仕組みです。このように途方もないプロセスで、初めて見た時にどうなっているのか理解できず、脳が”BUG”を起こすような強い衝動と感動を覚えました。」

 

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