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HEōS 24AW コレクションを発表「男は過去のすべてを懐かしく想いつづける」

HEōS(へオース)が2024年3月15日、楽天ファッションウィークにてショー形式で24AWコレクションを発表した。「男は過去のすべてを懐かしく想いつづける」。デザイナー暁川の儚げな思いから、”SPEAK MY LANGUAGE”が今期のテーマとして掲げられた。

渋谷ヒカリエBホールで行われた今回のショーは、開始直前まで雨と雷の音が演出として響き渡っており、会場全体が青々とした面持ちを浮かべていた。しかし、開始とともにライトは赤く照らされ、タイトルでもある「Speak My Language」をBGMにモデルがランウェイ。ここで、おぼろげながら漂っていたその香りが、瞬く間に強烈に、それでいて撫でやかに鼻をつつく。真っ赤なカーテンと雨の音からも想像がつくかもしれないが、これは香港の映画監督ウォンカーウェイからインスパイアされた物語であったのだ。(Speak My Languageは”天使の涙”の挿入歌)

一つの不確実な想像が符号を得た時、それは散りばめられたパズルのピースを繋ぎ合わせるような、独特なリズムが生まれる瞬間である。それからはYumeji's Theme(花様年華)、2046 Main Theme(2046)、忘記他(天使の涙)が立て続けに流され、ショーは完全に香港の、そしてウォンカーウェイの顔貌に描かれていく。

今回、暁川が表現を試みた「人生で最も美しい瞬間」。これは、花様年華を意味した言葉である。映画でもトニーレオン演じる過去に執着する男が主人公であるように、哀愁やノスタルジアを装いつつも前に進む衝動や、一瞬一瞬が集積し形成されたその”瞬間”を掴もうとする姿がショーにおいて演出された。

 
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